Je pense

日々思うところを気の向くままに ... Since 17th January, 2006

 
 

前回の記事に続き、またもや将棋に関する話から記事を始める。 ネタはこれまた前回同様、雑誌 『将棋世界』 の 7 月号に掲載されたひとつの記事である。 その記事とは 「話題の将棋、本音で語ろう!」 というタイトルの連載もので、今月号は、渡辺明、山崎隆之、阿久津主税という三人の若手プロ棋士による座談会であった。 呆れたことに、この記事の中で彼ら三人は、自分がプロになってからいかに将棋の勉強をしていないかをのうのうと語っていたのである。 腹が立つほど不愉快な記事であった。

私はソフトウェアエンジニアである。 少々くちはばったい言い方を許してもらえば 「ソフトウェアのプロ」 ということになる。 プロである以上、もらっている金に見合うだけの仕事をするのが私の義務だ。 だが、それだけで真のプロであるとは言えないだろうと私は思う。 私が思うに、プロと呼ばれるためには三つの条件を満たしていることが必要である。 すなわち、1) 自らの責任を自覚していること、2) 自らの責務を十全に果たしていること、そして、3) そのために日頃から研鑽を怠らないこと、この三つだ。 なにも特殊な技能や人並みはずれて優れた能力を持っている人だけがプロであるというわけではない。 普通の会社の普通のサラリーマンであっても、上記の 3 条件を満たしていれば、その人は立派な 「プロ」 だと私は思う。 逆に、いかに優れた能力を持っていようとも、上記 3 条件のひとつでも満たしていない者は 「プロ」 の名に値しない。 そう私は考える。

この基準を当てはめると、冒頭の雑誌記事に登場した三人の若手プロ棋士は真の意味での 「プロ」 ではない。 名ばかりのプロである。 確かに彼らはそれなりに優秀な成績をあげている。 天賦の才があるのだろう。 だが、自らのなし得る最善の努力をなさず、これを怠る者は 「プロ」 の名に値しない。 彼らは天才ではあるかもしれぬ。 だが、彼らは怠惰な者たちである。 そして、自らの怠惰をのうのうと誌上で語る恥知らずでもある。

だが、「プロ」 の名に値しないプロ棋士は上記の三人だけではなさそうだ。 まがりなりにも彼らは成績優秀な若手棋士として知られている。 その彼らにしてこの有り様だということは、彼らより成績の劣る棋士達が日頃どういう生活をしているのか、およそ見当がつこうというものである。

そして、プロの名に値しない 「自称プロ」 たちが跋扈しているのは将棋界だけではない。 私が生活の糧を得ている IT 業界の中にも似たような輩は少なくない。 おそらく他の業界でも似たり寄ったりなのだろう。 一見、毎日を安穏と暮らしていられるような 「自称プロ」 たちではあるが、実は彼らは哀れな者たちなのだと私は思う。 なぜなら、彼らは 「真のプロ」 としての誇りや、プロとしての職務を全うしたときの充足感を得ることがないからだ。

私たちの多くはごく普通の平凡な人間である。 誰もがイチローや将棋の名人になることはできない。 私とても同じである。 私程度の知識や能力をもったエンジニアなど、この業界にはいくらでもいる。 だが、それがなんだというのか。 私は特別な能力を持った人間ではないけれど、自らのなし得る最善の努力をなし、プロとしての職責を全うしている自信はある。 そしてこれからも、自信と誇りとを持って、自らがプロフェッショナルであると言えるような人生を歩み続けて行きたいと思う。

 
 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(涙)(涙)(涙)(涙)

 
 

二週間も更新をサボッていたせいで、10 日も前のネタで記事を書く羽目になってしまいました。 第 64 期名人戦の第 5 局は、6 月の 1 日・2 日の両日、群馬県の伊香保温泉で行われました。 第 4 局までの対戦成績が森内名人の 3 勝 1 敗なので、私が応援する谷川九段にとっては既に後がないカド番でしたが、今回は結果を割愛せずにすみます。 矢倉の急戦から谷川九段が一方的に攻めきって、見事に勝利をおさめたのでした。 ふぅ。 しかし依然として谷川九段のカド番に変わりはなく、名人位奪取には残り 2 局を連勝するしかありません。 楽な条件ではありませんが、なんとかこの難敵を下して悲願の名人位奪取を果たして欲しいものです。

次の第 6 局は今月 15・16 日に石川県で行われます。 戦型はどうなるんでしょうね。 谷川九段が後手なので振り飛車でしょうか。 だとしたら古典的な四間飛車かな? 相掛かり系というのも十分に考えられます。 いずれにしても「祈必勝! 谷川九段!」です。

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