Jazz のカテゴリーでは、これまでずっと Bill Evans に関する記事ばかり書いてきましたが、ここで白状します。 実は、私が一番好きな Jazz CD は Bill Evans のものじゃないんです。 Wynton Kelly の “Kelly Blue”。 これが私の一番好きな Jazz CD なんです、実は。 いや、Bill Evans も好きなんですよ、もちろん。 つか、大好きです。 でなきゃあんだけ記事書いたり CD 買ったりしやしません。 でも 「一番好きな Jazz の CD は?」 と聞かれたらこれになっちゃうんです。 う〜む。
この CD との出会いはちょっと変わっていました。 もう何年も前のことになるのですが、ふらりと入った喫茶店だったかレストランだかで、この CD が BGM としてかかっていたんです。 イッパツで参ってしまいました。 一目惚れならぬ一聴き惚れ (or 一耳惚れ?) です(笑)。 すぐさま店の人に聞いて、それが Wynton Kelly というミュージシャンの “Kelly Blue” という CD だと知りました。 でもって即購入です。 こういうパターンって珍しいんですけどね、私の場合。 よっぽど気に入ったんでしょう。 なにしろアルバムタイトルはおろか、Wynton Kelly という名前すら、その時点で私は知らなかったのですから。 その後、Kelly の CD は 7、8 枚ほど買っていますが、やはり最初に買った “Kelly Blue” が私にとってはベストです。
このアルバムには 8 曲が収録されていますが、中でも一番のお気に入りが “Keep It Moving” です。 この曲の何がいいって、ノリがいい! もうサイコーです。 無意識で体が動いちゃいますね。 でもって、何度聴いても飽きるということがありません。 しかも CD ではこの “Keep It Moving”がツーテイク (Take 4 と Take 3) 入っているので、なんだかすごく得した気分(笑)。 ちなみに、この曲と 1 曲目の “Kelly Blue” だけが通常のトリオ編成にコルネット、テナーサックス、そしてフルートを加えたセクステット編成での演奏です (他の曲はすべてトリオ)。
以下は余談になりますが、本来この CD について書くのはもう少し後にしようと思ってたんです。 美味しいものは最後に食べる主義なもんで(笑)。 ところが最近、MonoMania さんのブログ 『モノローグ』 (4/21 の記事) や 作左衛門さんのブログ 『作左衛門 縁側日記』 (4/11 の記事) でこのアルバムが紹介され、なぜだか無性に焦りを感じてしまいました。 「お、俺も紹介記事を書かなきゃ(汗)」 って。 なんででしょうね? 別に誰かが紹介記事を書いてたからって、自分まで焦って同じアルバムの紹介記事を書かなきゃならないってモンでもないでしょうに。 これまた謎です(笑)
え〜、平日に重い記事を書くのはさすがに無理と気が付いたので (今ごろ ...)、今日は軽めに Jazz の話題です。
先日も書いたとおり、Bill Evans のアルバムが 2 枚増えました。 それにしてもつくづく苦笑せざるを得ないのは、当初の目的と実際の結果との間のギャップです。 なんのことかと言うとですね、そもそもこうしてお気に入りの Jazz アルバムを紹介し始めたのは、自分が好きな Jazz や Bill Evans のアルバムをまだ知る機会のない人に知ってもらい、結果としてそういう人の CD コレクションの中に Jazz や Bill のアルバムが増えたらいいなと、それが目的だったんです。 ところが実際の結果がどうかと言えば、まずワルツさんに “Moon Beams” をご紹介いただいて、それまで 2 枚だけだった Bill Evans のアルバムが 3 枚になり、そして先日さらに 2 枚増えて計 5 枚と、なぜか増えたのは自分の CD コレクション ...... なんでやねん?
いや、いいんですけどね、別に。 自分が好きなアーティストのアルバムが増えるのはけっして悪いことじゃありませんから。 まあ多少は懐が痛みますが(苦笑)、CD 1 枚 10 万円するわけじゃないのでなんとかなります。
閑話休題。 増えたアルバムの話を書くんでしたっけ。
今回新たに購入したのは ...... っと、ここらでさっき仕掛けたラベンダー (3)、ベルガモット (1)、イランイラン (2)、グレープフルーツ (1) & ゼラニウム (1) のブレンドが香ってきました。 いい香りだなぁ〜 ...... あう、また話が逸れた。 今回新たに購入したのは “Sunday at the Village Vanguard” と “Explorations
” です。 ところがこの 2 枚、けっこう印象が違うんですね。 “Explorations” は “Portrait in Jazz” に近い印象で、すんなり自然に自分の中に入ってきました。 It's so sophisticated and moody. 部屋の雰囲気がぐっと良くなるのも “Portrait in Jazz” と同じです。 一方の “Sunday at the Village Vanguard” なんですが、なぜかこれはあまりピンと来なかったです。 これだって Bill Evans の代表作のひとつと言われてるそうなので、悪いわけはないんですけどね。 相性みたいなものなのかもしれません。 あるいは何度も聴いてるうちに次第に良さが分かってくるタイプのアルバムなのかも。
当初は全 2 回で終了の予定だった Bill Evans シリーズですが、急きょ予定を変更しての第 3 回です。 なぜ 2 回で終了の予定だったかと言えば、持っている Bill のアルバムが 2 枚だけだったから(笑)
たった 2 枚のアルバムしか知らないってのに一人のジャズマンの記事を書こうというんですから、私もずいぶんと無謀と言うか恐いもの知らずと言うか。 それでも幸いだったのは、Bill Evans をお好きな方がずいぶん多く、何人かの方から好意的なコメントを頂戴できたことです。 そのお一人が ブログ 『better days』 を書いておられる waltz さん。 そして、waltz さんのご推薦で早速購入したのが、この “Moon Beams” です。
まずジャケットがなんとも言えずいい。 そう思いませんか? この sophisticated なジャケットを見ているだけでも、このアルバムからどれほどムーディーな曲が流れ出してくるのか、いやが上にも期待が高まります。
ケースから CD を取り出してプレーヤーのトレイにセット。 PLAY ボタンを押すと音もなくトレイがプレーヤーの中に吸い込まれ、数秒の静寂の後、演奏が始まります。
ふ〜む、そう来たか .... という感じです。 前回の Bill Evans (2) で書いた “Waltz for Debby” とはかなり趣が異なります。 ひとことで言えば “Moon Beams” の方が 「大人の Jazz」。 そんな風に私には聞こえます。 いや、別に “Waltz for Debby” が子供っぽいというわけではないんですけどね。 なんて表現したらいいんだろうな .... “Waltz for Debby” では甘さやメロディーラインの美しさが前面に出ているのに対し、“Moon Beams” は抑制の効いた知性をより強く感じます。 クラシックの作曲家にたとえると、前者がモーツァルトで後者が .... う〜ん、バッハのようでもあるけれど、かと思えば現代音楽をも思わせるし .... これをクラシックにたとえるのは無理ですね。 少なくとも、今の僕には。
大人っぽさとか落ち着きといった点では、“Portrait in Jazz” 以上かもしれません。 そしてこのアルバムは、一度や二度聴いたくらいでその魅力を十全には理解できない、 そんなアルバムなのかな、とも感じました。 しばらくは折に触れてこのアルバムを聴き、この 「抑制された美」 を自分の中に取り込んで行きたい − そんな気持ちにさせてくれるアルバムです。
最後に。 このアルバムを紹介し、薦めてくれた waltz さんに感謝。
「趣味・音楽」 カテゴリー二つ目の記事も Jazz。 そして Bill Evans です。 さらには 前々回の記事、“Bill Evans (1)” で取り上げた “Portrait in Jazz” に勝るとも劣らない、これまた名盤中の大名盤、“Waltz for Debby” です。
タイトルの “Waltz for Debby (デビーのためのワルツ)” は、このアルバムの 2 番目に収録されている曲のタイトルでもあります。 そして Debby というのが Bill Evans の姪の名前で、この曲が彼女のために作られたものであるというのもまた有名な話。 Jazz、そして Bill Evans に通じた方には 「何をいまさら」 かもしれませんね(^^;)
録音は 1961 年ですから、“Portrait in Jazz” の 2 年後。 年代的にはやはり古い録音ですが、これまた “Portrait in Jazz” と同様、まったく古さを感じさせない音質です。 このアルバムの特徴は、これがライブで録音されたものだという点にあります。 そのため、演奏の合間に聴衆の拍手やざわめきが聞こえるのですが、これがノイズのように邪魔にならず、それどころかむしろこのアルバムの雰囲気をよりいっそう高めています。
“Portrait …” の記事では 「傍に美女は要らない。 このアルバムは一人で聴くに限るって感じです」 なんちゅー生意気なことを書きましたが、“Waltz for Debby” は愛する人と二人で聴きたいアルバムです。 というのも、“Portrait …” と比べて “Waltz for Debby”はちょっと感じが甘いんですね。 甘くてムーディー、ロマンティック、そして美しい。 お酒は .... う〜ん、ウィスキーよりワインかブランデーが合いそうです。
さて、たまには洒落て音楽の話でもしてみたいと思う。
もともと私は、音楽と言えばほとんどクラシックしか聴かなかった。 音楽ソースの 90% がクラシックだった時期がけっこう長かったくらい。 それが最近、なんだかクラシックを 「重く」 感じるようになってきた。 いや、ベートーヴェンとかブラームスなら重くて当然なんだけど、モーツァルトの協奏曲やディヴェルティメントまで重く感じられるようになってしまったんですよね〜。
この 「重い」 という感覚はちょっと言葉で説明するのが難しいんだけど、ようするに 「ながら」 で聴けない感じ。 スピーカーと向かい合って 「さあ聴きますよ」 と、こっちもその気になってちゃんと聴くのでないと聴けない … そんな感じになってきちまったのです、ハイ。
しかし、家にいて何かをしてるとき − そう、たとえばこうしてブログの記事を書いてるときなど、何も音楽がないというのはちょっと寂しい。 そういうときにピッタリなのが私にとってはジャズ、それもモダン・ジャズだったのです。
クラシックの方は一時期けっこうハマッたので、好きな作曲家、たとえばブラームスなんかだと多少の薀蓄は語れる程度に知識をため込んだりもしました。 でもジャズはダメ。 てんでダメですね。 雑誌なんかを読んで詳しくなろうという気にさえならない。 とにかく自分にとって心地よく聴いていられるアルバムを探して聴くだけ。 で、あるアーティストのアルバムが気に入ったら、同じアーティストのものをもう 2、3 枚買ってみる。 そんな聴き方をしています。 ひとことで言えばデタラメ聴き(笑) なので、ジャズの歴史だとか (いや、去年例のカトリーナ台風でやられたニューオーリンズが発祥の地だってことくらいは知ってますが ^^;)、誰が誰からどういう影響を受けただとか、いんぷろびぜーしょんがあーとかこーとか、そーゆーむじゅかしいお話はじぇんじぇんダメです(^^;)
そんな私が大胆不敵にもお勧めしたいアルバムがこれ。 Bill Evans Trio の “Portrait in Jazz” です。 なんでも聞くところによると、このアルバムはいまさら誰かが何かを言う必要さえないほどの名盤中の名盤なのだとか。 録音は 1959 年なのでメチャ古いです。 でも古さを感じさせる音じゃないですね。 Trio っちゅーくらいなので、演奏者は当然 3 人。 ピアノとベース、それにドラムです。 でもって、ピアノを弾いているのがリーダーの Bill Evans。 曲目としては、かの有名な 「枯葉 (Autumn Leaves)」 なんかが入ってたりして、とても穏やか。 落ち着いた感じです。 そしてとてもジャズっぽい。 いや、ジャズをろくに知らない私が言うのもかなり変なんですが、でも、これは間違いなくジャズっぽい。 そうとしか言いようがなくて、これ以上の説明は無理なんだけど、これがすごくジャズっぽい曲の入ったアルバムだということがなぜか確信できちゃうんだなあ。
そしてお洒落。 部屋の雰囲気がぐっと良くなって、明かりを少し暗めにして聴きたくなります。 できればシングルモルトのウィスキーがあったりするとさらにいいかも。 でも、傍に美女は要らない。 このアルバムは一人で聴くに限るって感じです。
Since 11th March, 2006.
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