私は 昨日の記事 において、歴史教科書問題に関する安部官房長官の発言について記した朝日の記事を取り上げて、これが自らの過ちを隠蔽・糊塗する厚顔無恥なものであるとし、さらに 「朝日新聞は恥を知れ」 と批判した。 まさか朝日の記者がこのブログを読んだわけでもあるまいが、今日の同紙社説の中に以下のような記述があった。
82年6月、高校の教科書について検定結果が報道された。朝日新聞を含め多くの新聞や放送が、「華北を侵略」という記述が検定によって「華北に進出」に変えられたなどと伝えた。
ところが、その後、「華北に進出」という表現は検定前から書かれていたことがわかった。その限りでは、安倍氏の指摘した事実はある。当時のずさんな取材を率直に反省したい。
※ 上記引用中の文字強調は引用者による。
これを読んで、私は 「へ〜、朝日も反省するべきところは反省するんだな」 と、同紙を見直してしまうところだったのだが ....
とんだ大間違いだった。
一見あらためて謝罪したかのようなこの社説は、その後段で以下のように書いている。
「華北に進出」と書き換えられた事実はなかったが、ほかの例や過去の検定を見れば、同じような問題がある。そう判断したからこそ、政府は官房長官談話を出したのだろう。
これはいったいどういう理屈か。 「私たちは嘘を書いた。 それは確かに嘘だったが、でも、他に似たような事実があった。 当時の政府が謝罪したのは私たちの誤報に基づいてのものではなく、“他の似たような事実” に基づいてのことだったのだろう」 と言っているのだ、この社説は。
朝日に聞きたい。 上記引用部分最後の 「〜を出したのだろう」 とは何なのか? この 「だろう」 という曖昧な表現は? 当時の関係者に取材をしたのか。 それとも、手記のようなものでも新たに発見されたのか。 そうではなかろう。 取材も手記もあるわけがない。 もしあるのなら、朝日は鬼の首でも取ったかのようにそれを喧伝せずにはいられないはずなのだ。 裏付けも何もない単なる憶測に基づいて他人の発言を批判する − これが朝日の言う 「ジャーナリズム」 の正体である。
そしてこの社説はさらにこう続ける。
歴史への反省を踏まえた当時の官房長官談話を否定するかのような、現在の官房長官の発言は、政府の姿勢に疑念を抱かせかねない。
この言葉、以下の通り朝日にお返し申し上げる。
「誤報・虚偽報道への反省を踏まえた当時の社会部長による謝罪記事を否定するかのような今回の朝日社説は、同紙の姿勢に疑念を抱かせかねない」 と。
最後に、昨日の言葉を再度繰り返す。
朝日新聞は恥を知れ!
【追記】 Chobi 氏のブログ 『OPINION 〜NEWSに意見〜』 でも、この件が 『反省が足りない朝日』 と題された記事で取り上げられています。
【追記 2】 ちなみに、この朝日の社説には 『侵略と進出 事実を踏まえ論じよう』 という見出しが付けられている。 いったいどういう事実を踏まえて論じると 「長官談話を出したのだろう」 などという記事ができあがるのか、一度聞かせてもらいたいものである。
今日 4/3 の asahi.com に 『「進出」書き換え問題 中韓抗議で謝罪、安倍氏「誤り」』 と題する記事 が掲載されていた。 これは 1982 年の所謂 「歴史教科諸問題」 に関する安倍晋三氏の発言を取り上げたものだ。
ご存知の方も少なくないものと思うが、所謂 「歴史教科諸問題」 とは、当時の歴史教科書の記述に関し、「日本による中国・韓国への “侵略” を、文部省 (当時) が “進出” と書き換えさせた」 という報道がマスコミを中心にして大々的になされたことに端を発する。 この報道がきっかけとなり、中韓両国は日本に対して激しく抗議。 その結果、宮沢官房長官 (当時) が両国に対する謝罪の談話を発表し、さらには各種教科書の検定基準に 近隣諸国条項 が追加されるに至ったというものである。
ところが、文部省検定によって “侵略” が “進出” と書き換えられた事実などはなかったこと、すなわち、このマスコミ報道が実は真っ赤な誤報であったことが後日明らかとなったのである。 安倍氏が 「誤り」 と言ったのは、このような誤報に基づいて国が謝罪をしてしまったことについて述べたものである。 この 「誤報」 に関し、冒頭の asahi.com 記事は以下のように記している。
この問題では当初、「侵略」が文部省検定で「進出」に変わったと報道されたが、問題になった81年度検定に限ると書き換えがなかったことが分かった。ただ、それ以前から検定作業を通じて「侵略」を「進出」などに書き直すことがあったのは事実で、当時の政府の対応もそうした経緯を踏まえてのものだった。
厚顔無恥とはこういう記事のことを言う。 上の引用部分では 「〜と報道されたが」 などと、まるで他人事のように書かれているが、当時マスコミの先陣を切ってこの問題に関する一大キャンペーンを張ったのが当の朝日新聞だったのだ。 そして、これが誤報と明らかになった後、同紙は当時の社会部長名で 「誤りをおかしたことについては、読者におわびしなければなりません」 と謝罪の記事まで書く羽目になっている。
「侵略 → 進出」 の書き換え問題自体に関してこれ以上踏み込むことは本稿の目的ではないので控えておくが、私が強調したいのは、「〜と報道されたが」 と、主語を省略した受動態の語法を用いることで、この大誤報を率先して行ったのが当の朝日新聞であったことを隠蔽・糊塗しようとする同紙の卑怯千万なやり口である。 当時の社会部長による謝罪記事が真に謝罪する気持ちに基づいて書かれたものであったのならば、今回の記事においても 「朝日新聞をはじめとする新聞各紙は、当時 〜 と報道したが」 と、主語を明確にして書くべきであろう。
「朝日新聞は恥を知れ」 と、声を大にして言いたい。
◆
【4/4 00:39 追記】 やじざむらいさんの 『やじざむらい的日々雑感』 でも、『まだ言うのか!朝日新聞は悪質』 と題した記事でこの件が取り上げられています。
3 月 16 日の記事 で、「私自身、マスコミ報道の嘘や不正確さに関する具体的なネタをいくつか持っていて、それを今後このブログにも書くつもりでいる」 と書いた。 そこで今日は、この 「具体的なネタ」 ってやつを書いてみることにしたいと思う。
ネタは二つある。 最初のネタは私自身に関することで恐縮なのだが、職業、年齢を偽って報道されたというものである。 報道されたと言っても、私が何か犯罪をおかして逮捕されたとかいう報道ではないので誤解しないよーに > その辺(^^;)
もう今からずいぶん前のことになるが、私はあるサービス会社の会員ユーザになっていた。 ところが、そのサービスの料金システムが大幅に変更され、私を含むヘビーユーザにとってはとてつもない値上げになるというアナウンスがあった。 そんなことになってはたまらないと、私は暴れた。 いや、だから(汗)、暴れたと言ってもですね(^^;)、実際に暴力をふるったとかゆーわけじゃなくてぇ、ようするにヘビーユーザ会員同士で連絡を取り合って 「ユーザーの会」 みたいなモンを結成し、運営会社との交渉に臨もうとしたのです。 するとあるとき、とある新聞記者から取材の申込みがあった。 実はその記者も当該サービスのユーザで、この件を新聞記事にして側面援護をしたいという申し出だった。 こっちにとっては渡りに船というやつで、断る理由は何もない。 私は即座にその申し出を受け、もう一人の仲間と一緒に簡単なインタビューを受けた。
数日後、その新聞に記事が載った。 たいして大きな紙面を割いたわけでもない記事だったが、そこにはちゃんと私たちの主張が 「ユーザーの声」 として取り上げられていた。 満足である。 取材時に名前は匿名にするということになっていたので、私や仲間の名前は出ていない。 「ユーザーの一人である○○歳の会社員、A さんは…」 といった具合に、職業と年齢だけ。 ところがこの年齢と職業がまったく事実と異なるのだ。 私についても、そしてもう一人の仲間についても。
私たちの交渉相手であるサービス会社は、当然私の身元を把握している。 なので、当該の会社に私の身元が知れても、私は何も困らない。 そして、私と同じ年齢・職業の人は、この日本に何十万人、いや、何百万人といる。 「64 歳の内閣総理大臣、K さん」 ではないのだから、歳と職業が報じられても身元が特定される可能性はまったくない。 にもかかわらず、私の年齢・職業は、事実と異なるものが報じられていた。 後日、この記者と再度会って話す機会があったのだが、そのときに彼が言うには、「できるだけ身元がわからないようにしておく方がいいですからね」 ということだった。 ようするに彼は好意で虚偽報道をしてくれたのである。 だが、いくら動機が好意であっても虚偽は虚偽。 平たく言えば 「嘘」 である。 仮に真実を報道することで私に深刻な危害がおよぶと懸念されるのであれば、年齢も職業も何も書かなければいい。 実際、名前については書かれていないのだから。 それにもかかわらず、彼は書いた。 あえて虚偽を。 そして、あの記事を読んだ人は、そこに書かれている二人の人物の年齢と職業を信じて疑わなかっただろう。 つまり、読者はまんまと騙されたということになる。
◆
もうひとつのネタは、過去の話でも私個人の話でもない。 現在も継続中の世界情勢に関わるネタである。
毎日新聞のインターネット版である MSN毎日インタラクティブ は、その 2006 年 2 月 22 日付記事 の見出しを 「米中東軍:日本の新たなイラク貢献策に期待」 とし、本文を イラクを担当する米中東軍のキミット准将(計画・戦略担当副部長)は21日、ワシントン市内で記者会見し…
と始めている。 これが虚偽報道である。 え? どこが虚偽かって?
Since 11th March, 2006.
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